マイクロチップが義務化されたけど、子犬を引き渡しされた時点ですでに装着されており、メリットや必要な注意点など良くわからないままの方も多いと思います。マイクロチップ技術は、大変優れた技術ですが、多くの注意点もあり、理解を深める必要があります。
マイクロチップ装着の主なメリットとしてペットが迷子になった際に、役に立ってくれる事を期待するケースが多いようです。
マイクロチップの効果測定として、大変興味深いアメリカでの調査分析結果があります。
https://indoorpet.osu.edu/veterinarians/microchip
マイクロチップを装着してシェルターに入った動物の情報を記録している53のシェルターを対象とした研究では、以下のことがわかりました。※検出率は、100%ではありません。検出できないケースとしては、検出技能やチップ、デバイス感度の問題などが考えられます。
□マイクロチップ登録済の迷い犬・迷い猫の飼い主がみつかった 73%(犬:74%、猫:63.5%)
□74%の飼い主が動物の返還を希望(犬:76%、猫:61%)
□ シェルターの飼い主への返還率の中央値は、マイクロチップを装着した犬は全迷子犬の2.4倍(52.2%対21.9%)、マイクロチップを装着した猫は全迷子猫の21.4倍(38.5%対1.8%)
□飼い主が見つからなかった主な理由は、電話番号の間違いや切断(35.4%)、飼い主が電話に出なかったり手紙に返信しなかったり(24.3%)、マイクロチップの未登録(9.8%)、メーカーと異なるデータベースに登録されているマイクロチップ(17.2%)など
マイクロチップを装着するだけでは、完全な身元確認ができるわけではありません。ペットとの再会を成功させる可能性を最大限に高めるために、以下の点を覚えておいてください。
マイクロチップは GPS ユニットではありません。 マイクロチップ技術は役に立ちますが、犬や猫を見つけたり追跡したりするのには役立ちません.
Microchip のレジストリ情報は、所有権を証明するものではありません。 マイクロチップは、スキャンした人に大量の情報 (避妊/去勢された状態、種、品種などの情報) を提供できますが、所有権の証明としては機能しません。犬と猫は、動物保護施設、レスキュー グループ、獣医事務所、およびその他のグループによって日常的にマイクロチップが埋め込まれています。あなたのペットがあなたの家族に加わる前にマイクロチップを埋め込まれていた場合、すべての登録情報が正確で最新であることを確認するのはあなたの責任です.
日本で統一して流通されているマイクロチップはISO11784/5に準拠しているFDX-Bという規格になり、起動周波数は134,2kHz、コード体型は15桁の数字で表れます。134.2 kHz は、主に世界中で使用されている ISO 規格 (国際標準化機構) です。
環境省は、登録データベース(AIPO)の一元化をすすめておりますが、2022年6月1日以前の登録の場合は、登録団体が複数にわたり、有資格者によるスキャンができても照会できない可能性があります
マイクロチップ技術は素晴らしいものですが、ペットは常に迷子札つきの首輪を着用する必要があります。視覚的な識別は、ペットと再会するための最も効果的で簡単な方法です。特に住所や電話番号の変更後は、すべての情報(登録データ、迷子札連絡先など)を定期的に更新する必要があります。
ペットの健康へのリスクはごくわずか
注射部位周辺の炎症の報告がいくつかありますが、これは主に炎症が癌の発症に関連しているため、犬の健康と幸福に非常に小さなリスクをもたらします. それにもかかわらず、ほとんどの獣医師は、マイクロチップの利点がリスクをはるかに上回ることに同意しています