Tag: 犬の幸せ

なぜ、犬同士でお尻の臭いを嗅ぎあうのだろう?

犬同士でお互いのお尻のにおいをかぎ合う光景を日常的にみる。 一般的には「犬の挨拶」「名刺交換」「情報交換」というように言われている。   なぜ、このような行為が挨拶や情報交換になるのか?     野生においては、グループのなかでも地位の低いオオカミは、相手に臭いを嗅がれないよう、しっぽなどでガードしてしまう。 お尻の臭いには、それほどまでに相手に見透かされてしまう情報が含まれているという事なのだ。         具体的にはどういう事か?     肛門嚢分泌物の研究した結果によると、イヌが所属するグループや個体によって化学的組成が異なることが報告されている。 この匂いから、犬たちが得ている情報は、『所属』『性別』『地位』『去勢』などと言われ、『遺伝的な違い』までも、この匂いにより判別しているという。 犬が嗅いでいるのは、肛門嚢の臭いだけではない。実は、肛門周囲には、多くの脂腺が存在し、ここより分泌される水溶性分泌物(主にアポクリン腺から)がコミュニケーションに重要な物質と考えられている。   雑感 飼い主としては、自己紹介しているんだなぁ・・・と暖かく見守りたいところです。 ただ、臭いを嗅いだ結果、相手に攻撃的になるという事もありますので、油断はせず、リードで犬をコントロールできる状態にしておいでください。

なんでドッグフードの好き嫌いがあるの?

  飼い犬が全然エサを食べてくれない。このような悩みを抱える飼い主は、少なくないはず。昨日までガツガツ食べていたエサが今日は食べない。散歩に行くと草ばかりをガツガツ食べているなんて犬もいる。   食欲と犬の体調は、表裏一体だ。何も食べず、体力がみるみる衰えていくのであれば、病気の可能性もある。この場合は、早めに受診し、獣医の判断をあおいだほうが懸命。   しかし、体調とは関係なく食べてくれないこともあるのだから、悩むのだ。   さて、犬の食事を見ているとガツガツ食べるときは、まるで丸のみしているのではいのかというくらい、一気に平らげてしまう事も珍しくない。   個体による差はもちろんあるのだが、はたして、イヌは本当に味わっているのか?という疑問が頭をよぎる。   実は、イヌは嗅覚によって好物の順位づけをしているのだ。味覚をつかさどる神経は、ヒトに比べおどろくほど少ない(約5分の1)。   一方、イヌは、ヒトの6000-20000倍ともいわれるの嗅覚をもつ。   この嗅覚が好物の順位づけに利用されている。イヌは、肉類を好む傾向にあり、同じ肉類でも生肉を好む傾向にあるようだ。       ここでさらなる疑問が頭をよぎる。「犬には味に対する概念がないのか?」   味覚とは、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが基本味に位置づけられる。   イヌの味覚に関する研究はすすんでおり、この味覚のうち、イヌは、甘味に強く反応するという事が研究によりわかっている。   肉食に特化したネコ科の動物では甘味受容体を構成するT1R2を失い、糖に対する嗜好性を失っていることが知られている。しかし、イヌは、その甘味に強く反応するというのだから、興味深い。   自然界において、甘味は、炭水化物と関係していてるとされている。       肉食のオオカミを祖先に持つイヌがなぜ甘味を好むのか?   イヌが人間との共生により雑食化していった事と深いつながりがある。動物のエサに対する嗜好は、生まれたときに決まっている。これには、1980年台のマウスを使った実験が多くの事実を物語っている。羊水にリンゴ溶液を加え、リンゴ溶液を味わったマウスは、出生後もリンゴを好むようになった。犬の場合も、人間の食生活と同様の物を与えられる中で、甘味(炭水化物)に対する反応が助長されていったのだろう。   さらに、動物は、母乳の味を生涯の嗜好とするとされている。母乳や羊水は、母動物が食べたものに大きく影響され、結果、母動物の嗜好と似るというのだ。 そうか、母犬が好んで食べていたものを与えれば、食べてくれる!!       しかし、世の中そんなに甘くない。犬は、ペットショップから譲り受け、母犬のことなんて知る由もないという方がほとんどである。     あきらめないでほしい。他の研究ではこんなこともある。     イヌは、(ネオフィリア=新奇愛好)今まで食べたことのないエサにつよい興味をもつ傾向があるとされる。 その一方で、新しいものに強い警戒を示す場合もある。 解決策としては、今までのエサと同じ傾向にある違うもの。 なかなか、難しい事を言うようだけど、要は警戒させない程度に新鮮味のあるもの。たとえば、ササミのふりかけや、肉系の缶詰をまぜたりとか、香りを強調させるため、少しあたためたり等、いままでと少し違う事をすると、興味を持ちやすい。   結論 食べなくなったら、あの手この手で今までのエサに改良を加える。   雑感 ん~。なんとも贅沢な話ですが、人間とおなじですね。きっと野生のオオカミは、日々とれる獲物が違うでしょうから・・・  

麻薬探知犬のおはなし

成田空港に降り立つと、荷物のターンテーブルあり、この付近で麻薬探知犬を見かけたことがある人も多いと思います。 アグレッシブドッグ(場外の人を探知)とパッシブドッグ(到着ターミナル荷物探知)の2種類の探知犬がいます。 なぜ、犬が麻薬のにおいをかぎ分ける事ができるのか? その理由は、人の6000-20000倍ともいわれる嗅覚にあります。ダミーと呼ばれる麻薬のにおいのついた袋をつかって、訓練された犬たちは、どんなにかすかな臭いも見逃しません。 東京税関が管轄する麻薬探知犬訓練センター東京ドーム一個分に相当します。充実の設備が整ったこの施設で、犬たちは、訓練をし、現在100頭を超える探知犬が活躍しているといいます。     麻薬探知犬 日本でのはじまり   日本の麻薬探知犬は、1979年にアメリカで訓練を受け輸入された2頭のレトリバーが始まりです。この二頭は、素晴らしい功績を残したといいます。 そして、日本国内において1980年より麻薬探知犬の育成がはじまりました。 1981年に、1頭のジャーマンシェパードが、国内に育成を受けた麻薬探知犬第一号としてすばらしい活躍をしました。 実はこのジャーマンシェパードは、飼い主に捨てられてしまい、薬殺処分される寸前のところを、奇跡的に訓練センターに引き取られ、育成されたのです。 この奇跡の犬は、【麻薬探知犬シェリー】として書籍にもなっています。     えらばれし犬 1%以下の犬だけ   麻薬探知犬になるのは、実はかなり狭き門。現在は、ブリーダーや犬の訓練所より適正が最も優れているものを選び出しますが、麻薬探知犬となれるのは、その中の1%にも満たないといいます。実際に適正が優れている犬として訓練所に引き取られても、晴れて麻薬探知犬になれるのは、4分の1の犬たちです。     幸せな麻薬探知犬   実はこのように訓練された犬は、本当に幸せだといいます。 定期的な健康検査や徹底的に犬に配慮された空間で飼育されていることはもちろん、適度に保たれた犬と人の関係は、非常に強い信頼と主従関係が築かれています。そして、なにより、犬にとって麻薬を探すことは「宝さがしゲーム」と同じだというのです。 犬の特性を考えれば、決して突飛な事を言っているのではないとわかります。犬は、もともと、リーダーに従い、褒めてもらう事を喜ぶ数少ない動物です。そして、リーダーとの主従関係を築く中で規律というものが、犬にとって判断材料になっていきます。 犬と人との関係ですから、犬にとって理解することが容易でない規律も、長い時間をかけ、リーダーの想いのままに規律を守ることができると、犬にとっても大きな喜びとなるのです。      愛すべき飼い犬にも規律を    私たちの飼い犬の場合、麻薬探知犬とは違う役割を人間社会で果たしていると思います。 麻薬探知犬が社会への貢献であれば、私たちの飼い犬は、番犬として貢献かもしれませんし、「癒し」や「生きがい」。 そして、犬には、病に伏すヒトを癒す力があると利用されてきた経緯もあります。 人間社会の中で犬との幸せな生活を考えてみると、適切なしつけ(規律)を長い時間かけてでも教えていくことが、犬の幸せにつながることなのです。
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