サクラ犬具の考えるサステナブルな首輪

サクラ犬具の革首輪は、ヌメ革(100%植物なめし)と真鍮金具を主に使用しております。


創業以来『犬と地球を考えて』というコンセプトのもと生み出される製品は、近年注目される『サステナブル(地球環境の持続可能性)』とも共通した認識であり、持続可能な環境・社会を考えて『ものづくり』に励んでいます。

■エコな素材として牛革をつかう理由

サクラ犬具では、畜産副産物として利用される北米原皮のヌメ革を主に使用しています。

牛に関しては、皮を取るために殺すことは禁止されています。
皮革は、食肉加工産業の副産物で、時には寿命等で亡くなってしまった動物も利用します。

限りある資源の利用を無駄にしない観点からも、畜産副産物を廃棄せずに皮革としての利用する事はエコなのです。革は古来から人類の生活用品として用いられてきた歴史があります。

畜産副産物として他には、食用以外の部分がペットフード原料、石鹸などに利用されています。

一部では畜産副産物である牛豚などのレザーを排除し、サステナブルへ貢献としている向きもありますが、食肉産業がある限り排出されつづける牛豚の原皮の利用と皮や毛皮の為だけに飼育され、殺されている他の動物(パイソン、ワニ、トカゲ、アカエイ、ウサギなど)とは背景が異なります。

■環境負荷のすくない革『ヌメ革』

サクラ犬具では、環境負荷の少ない100%植物原料でなめした『ヌメ革』を使用しています。クロムが一切含まれていない安心・安全な素材です。環境にやさしい素材で、エコレザーやオーガニックレザーとも呼ばれています。

革の生産(なめし)には、一般的には無害なクロムが利用されます。高温に晒されることで有害な6価クロムへと変質しますが、欧州化学物質庁(ECHA)の近年の調査では、多くの革に6価クロムが含まれており(基準地超が3割以上)、無害なクロム(三価)が日光や紫外線、気温の影響を受け6価クロムへと変化することが解ってきています。革製品の製造過程でも高温のヒーターやアイロンなどが使用される事が多々あり、多くは最終製品に6価クロムを含む可能性は排除しきれません。

六価クロムは第二種特定有害物質のひとつで、皮膚炎や腫瘍の原因となるだけでなく、非常に強い酸化力によりDNAの損傷作用を持つため、発癌性物質としても扱われています。

革なめし産業の従事する人は、(クロム、ヒ素、有機溶剤など)の使用により職業性がんの発症率が上がることが研究で示されています。

特に一部途上国での革産業は、環境汚染に関する意識が低く、環境汚染物質をそのまま河川などに流し周辺環境や住民の健康被害などが問題となっています。

http://tenbou.nies.go.jp/navi/metadata/71597
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3168109/

一方で、持続可能環境保護を考える上で、革製品ではなく合成皮革を使うべきだという意見もあります。しかし、合成皮革は、石油由来のポリウレタン樹脂を主に使用する事が多く、製造過程では、大量の有機溶剤が使用されます。健康や環境への影響も問題となっています。

生産プロセス革新により、一部では環境負荷を下げる環境調和型ウレタン樹脂を使用した素材も開発されていますが、高価な製品が中心で、販売時には合成皮革、人工皮革は、一緒くたに『ヴィーガンレザー』と表現さるケースも多く、消費者が見分けるのは困難な状況です。

■環境保護の優等生 真鍮素材

サクラ犬具では、主に真鍮無垢金具を使用し、首輪を製作しています。
古くより貨幣などに使用されている素材で『黄銅やブラス』とも呼ばれる銅と亜鉛の合金のことです。深い金色の光沢が美しく、使い込むほどに味わい深い色調に変化します。この素材を採用する理由は、真鍮の持つ強度・耐久面に加え、なんともいえない高級感を兼ね備えた素材であり、高品質を求めるサクラ犬具に最適だったからです。

真鍮(黄銅)や銅素材はリサイクルの優等生です。黄銅および銅産業はリサイクルに大きく依存しています。銅金属は、その特性を失うことなく無限にリサイクルできるため、新しい原料を採掘して使用する事は無駄です。実際、存在が確認されている5.8兆ポンドの銅のうち、記録された歴史の中で採掘されたのはわずか12パーセントでした。1万年以上前から人類によって使用されてきましたが、これまでに採掘された銅の大半がリサイクルされて流通しています。

環境負荷のかかるメッキ加工を施す必要性も低く素材そのままの仕上げで、十分な耐久性を持つため、環境面で非常にやさしい金属です。

https://www.copper.org/environment/lifecycle/g_recycl.html