犬の食糞、叱る・片づけるならどちらを選ぶ?

排便したあと、飼い主さんが袋を取るより先に犬が振り返る。犬が自分のうんちを食べてしまう「食糞」には、まず叱るより、食べる前に静かに片づける対応を試してください。理由を決めつけず、いつ起きるかと体調の変化も見ていきます。

まずは「食べる機会」を減らす

うんちを見つけたら、犬を大声で呼び戻したり追いかけたりするより、落ち着いて距離を取り、片づける流れをつくります。排便後にすぐ食べるなら、そばで見守り、済んだら犬の注意を別の場所へ向けて、その間に処理します。何度も追いかけっこになると、片づけたい飼い主さんと、追いかけられている犬の間で、別の遊びが始まったように見えることもあります。

叱るとやめるとは限りません。排便そのものを人の前で避けたり、飼い主さんが近づくと急いで食べたりする方向へ進む可能性もあるため、強く責める対応は控えたいところです。食糞を見つけた瞬間、つい声が出るのは無理もありません。でも、うんちをめぐる追いかけっこは、犬のほうが足取り軽めです。

私が犬具を作る仕事をしていても、道具を増やすことより、毎日の動きを無理なく続けられるかを先に考えます。この悩みも同じで、まずは排便後に片づける段取りを決めること。特別な用品を足すより、飼い主さんが落ち着いて続けられる方法を選びます。

理由をひとつに決めつけない

食糞の背景はひとつとは限りません。犬の年齢や生活環境、食事のこと、排便した場所やその前後の様子など、いくつかの要素が関係している可能性があります。ここだけで原因を言い当てることはできませんし、「飼い主さんへの反抗」などと決めつける必要もありません。

まず見たいのは、いつ、どこで起きるかです。留守番中なのか、散歩中なのか、排便後すぐなのか。毎回ではないなら、起きなかったときとの違いも手がかりになります。記録をつけるなら、日時や前後の様子を短くメモする程度で十分です。犬を見張り続けるためではなく、獣医師に相談するときに状況を伝えやすくするためです。

食事の量や内容を急に変えたり、食糞をやめさせるとうたうものを自己判断で使ったりする前に、獣医師へ相談してください。食糞だけで病気だと判断はできませんが、食べ方が急に変わった、便の状態がいつもと違う、食欲や元気にも変化があるなど、ほかの気がかりが重なるときは受診の目安になります。

体調の変化があれば獣医師へ

食糞を繰り返すことに加えて、嘔吐や下痢、食欲の変化、元気のなさなどが気になるときは、便や食事の記録を持って獣医師に相談しましょう。犬がぐったりしている、呼吸が苦しそう、立てない、吐いている、あるいは飼い主さんが心配だと感じるときは、家庭での工夫や道具選びより先に、獣医師などの専門家へ相談してください。

相談しづらいと感じる飼い主さんもいるかもしれませんが、動物病院では「自分の便を食べることがある」とそのまま伝えてかまいません。いつからか、どれくらいの頻度か、ほかの変化があるか。話せる範囲の事実を伝えれば、次に何を確認するか相談できます。恥ずかしさを理由に、食事や体調の変化まで一人で抱えなくて大丈夫です。

今日から試せる実践Tips

犬の排便後、飼い主が落ち着いて様子を見てから片づける場面

今日できることはひとつ。次に排便したとき、叱る代わりに、排便から食べようとするまでの間と、そのときの様子を見てみてください。すぐ片づけられる状況なら静かに処理し、できなかったとしても責めず、起きたことを覚えておきます。まず一回分の様子がわかるだけでも、続ける工夫や相談の仕方を考えやすくなります。

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