夕方の道を、愛犬と並んでゆっくり歩く。少し進んでは立ち止まり、植え込みの匂いを確かめたり、通り過ぎる人を静かに眺めたりする。こちらはつい先を急ぎたくなりますが、犬にとってはその時間も散歩の一部です。
若い頃より歩く速さが落ち着いてきた犬、もともと慎重な性格の犬、外の様子をよく観察しながら歩く犬。そんな愛犬との散歩では、リードの「長さ」だけでなく、「手元の持ち方」を見直しておくと、歩きやすさが変わる場合があります。
ゆっくり歩く犬には、手元の余裕が大切です
犬がゆっくり歩いていると、飼い主さんの足取りとの間に少し差が出ます。そのとき、リードを手元で強く張ったままにしていると、犬の首元や体の動きに細かな合図が伝わりやすくなります。
強く引くつもりがなくても、飼い主さんが一歩前へ出るたびに、リードが軽く張ったり戻ったりすることがあります。犬によっては、それを急かされているように感じる場合があります。
ゆっくり歩く犬との散歩では、リードを長く伸ばしすぎるのではなく、手元に少し余裕を作りながら、犬の歩幅に合わせて調整する意識を持つとよいでしょう。
リードは「握りしめる」より「安定して持つ」
散歩中、リードをぎゅっと握りしめていると、手首や肩に力が入りやすくなります。飼い主さんの体に力が入ると、リードを通してその緊張が犬に伝わることもあります。
基本は、リードの輪を手首だけに頼らず、手のひらでしっかり持ち、必要に応じてもう片方の手で長さを整える持ち方です。手元に余ったリードはだらんと垂らしすぎず、軽くまとめておくと扱いやすくなります。
- リードの輪は手のひらで安定して持つ
- 反対の手で長さを静かに調整する
- 犬の歩く速さに合わせて、張りすぎない位置を探す
- 足元にリードが絡まないよう、余り部分を確認する
特別な持ち方にこだわりすぎる必要はありません。まずは、散歩中の手元に力が入りすぎていないか、様子を見ておくとよいでしょう。
犬の少し横、少し後ろを意識してみる
ゆっくり歩く犬と一緒にいるとき、飼い主さんが常に犬の前へ出てしまうと、リードが斜め前に張りやすくなります。これも、犬にとっては歩く方向を急かされているように感じる場合があります。
道幅や周囲の状況にもよりますが、犬の少し横、または半歩ほど後ろに立つ意識を持つと、リードが自然に緩みやすくなります。犬が立ち止まったときも、すぐに引くのではなく、周囲の安全を確認しながら一呼吸置くと、落ち着いた散歩になりやすいでしょう。
ただし、車道の近くや人通りの多い場所では、犬の自由な動きを優先しすぎず、短めに持って確認しておくと安心です。場所に応じて持ち方を変えることが、毎日の散歩では大切です。
立ち止まる時間も、散歩の中に入れて考える
ゆっくり歩く犬は、立ち止まる時間が長くなることがあります。年齢や性格、気温、地面の感触、その日の気分など、理由はさまざまです。ここで無理に進ませようとすると、リードが張りやすくなります。
安全な場所であれば、少し待つ時間を散歩の中に入れて考えてみるのもひとつです。匂いを確認している、周囲を見ている、少し休んでいる。そうした様子を眺めながら、リードを手元でゆるめに保つと、犬も落ち着きやすい場合があります。
もちろん、いつもと大きく様子が違う、歩き方が気になる、元気がないように見えるなどの場合は、日頃の様子と比べて確認しておくと安心です。
リードの素材や太さも、手元の感覚に関わります
リードの持ちやすさは、長さだけでなく、素材や太さ、手になじむ感覚にも関わります。ゆっくり歩く犬との散歩では、細かく長さを調整する場面が多くなるため、手の中で扱いやすいリードを選んでおくと、毎日の使い心地が変わる場合があります。
革のリードは、使い込むほど手になじみやすい素材です。最初は少ししっかりした印象でも、日々の散歩の中で少しずつ持ちやすさが出てくることがあります。手に持ったときの幅、重さ、長さの扱いやすさを見ながら選ぶとよいでしょう。
サクラ犬具製作所では、首輪だけでなく、革のリードも日常の散歩道具としてご覧いただけます。愛犬の歩き方や飼い主さんの手元の感覚に合わせて、無理なく使えるものを選ぶきっかけになれば幸いです。
急がない散歩に合わせて、手元を整える
ゆっくり歩く犬との散歩は、距離や速さだけでは測れない時間です。犬が立ち止まり、匂いを確かめ、季節の空気を感じている横で、飼い主さんも少し歩調を合わせてみる。そんな散歩には、リードをどう持つかという小さな工夫がよく似合います。
リードを強く張り続けないこと。手元に力を入れすぎないこと。犬の横に立ち、周囲を見ながら歩くこと。どれも大げさなことではありませんが、毎日の散歩を少し穏やかにしてくれる場合があります。
愛犬の歩く速さに合わせながら、手元のリードの持ち方を一度見直してみる。いつもの散歩道が、少しだけゆったりした時間に感じられるかもしれません。


