ドライヤーを怖がる犬、どう乾かす?まずは風を当てずに慣らす

洗い終わって、濡れた毛をタオルで包んだところまでは順調。でもドライヤーのスイッチを入れた途端、犬が身を引く。そんなときは、風を当てて乾かしきるより、タオルで水分を取り、離れた場所から音と風に慣らすのが出発点です。嫌がり方が強ければ、その日は中断してかまいません。

怖いのは、音だけとは限りません

ドライヤーを怖がる理由は、犬によって違います。動作音が気になるのか、顔や体に当たる風が苦手なのか、熱や濡れた感触が気になるのか。ひとつに決めつけず、どの段階で身を引くかを見ます。シャンプー後で疲れていることや、以前の経験が関係している可能性もありますが、行動だけで理由を断定はできません。

犬の側から想像すると、静かな部屋に急に低い音が響き、見慣れない道具から風が来る。人には乾かすための機械でも、犬には音と風が一度に押し寄せる場面かもしれません。あの「ブオーッ」という音に、こちらの声まで少し負けます。まずは何が苦手そうかを分けてみると、次の一手を決めやすくなります。

タオルのあと、離れた場所から

最初にタオルで毛を押さえ、水分を吸わせます。強くこすると毛や皮膚に刺激になることもあるため、こすらず、包んで押さえる感覚で。タオルが湿ったら、乾いた面に替えます。水が滴る状態から始めないだけでも、ドライヤーを当てる時間を抑えられます。

次に、犬が落ち着ける場所でドライヤーを犬から離して動かし、まず音だけを聞かせます。落ち着いていられるなら短く電源を入れ、風を当てる段階では距離を保ちます。風や熱が顔に集中しないよう、顔まわりはとくに慎重に。温度や風量を調節できる機種なら、熱くなりすぎない設定を選び、手で確かめながら使います。毛並みや皮膚の状態によって適切な乾かし方は異なるので、無理に一度で仕上げようとしません。

震える、逃げようとする、体がこわばるなど、怖がる様子が強まったらいったん止めます。おやつで気をそらしながら押さえつけるより、距離を取って休ませるほうを優先してください。ドライヤーの音に慣れる練習は、シャンプー直後ではなく、犬が濡れていない日に、電源を入れずに見せるところから始めてもかまいません。怖がる反応を我慢させる時間にはしないことです。

一度で乾かすより、負担を増やさない

犬具を扱う店としても、私は「きれいに仕上げること」より、犬が次の手順を予測できることを優先したいと考えます。これはドライヤーの専門知識ではありませんが、急に距離を詰めず、同じ順番で進めるほうが、飼い主さんにも犬にも動きがわかりやすいからです。タオルで包む、ドライヤーを離して動かす、短く風を当てる。嫌がったら戻るか終える。そのくらいの順番で十分です。

毛が厚い犬や長毛の犬は、表面が乾いて見えても内側に水分が残ることがあります。乾き具合を確かめるときは、毛を分けて根元の湿り気を見ます。皮膚に赤みがある、濡れた状態が続いて気になるなど、皮膚や体調の心配があれば、乾かし方を自己判断で続けず獣医さんに相談してください。ぐったりしている、呼吸が苦しそう、立てない、吐く、または飼い主さんが心配なときは、乾かす工夫より獣医師など専門家への相談を優先します。

今日から試せる実践Tips

電源を入れていないドライヤーを離して置き、犬が自分の距離から見ている

次のシャンプーを待たず、今日、ドライヤーの電源を入れずに床へ置き、犬が自分から近づける距離で数秒眺めてもらいましょう。近づかなくても大丈夫です。見るだけで終えて、しまいます。乾かす練習ではなく、「この道具がそばにあっても何も起きない」時間をつくるところから始めます。

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