子どもが犬を抱きしめたがる。「かわいい」の伝え方を一緒に考えるなら、まず「好きな気持ちはうれしいね」と受け止めたうえで、抱きしめる代わりに、犬が自分から近づける触れ合いを教えます。犬を追いかけたり、顔を近づけたりせず、大人がそばで見守ることも欠かせません。
抱きしめたい気持ちは受け止め、犬の体は自由に
子どもにとって、抱きしめるのは「大好き」を伝える自然な方法かもしれません。そこで「だめ」とだけ止めると、何をすればよいのか分からないままになりがちです。「かわいいね。好きなんだね」と気持ちを受け止めてから、「犬は抱っこやぎゅっとされるのが苦手なこともあるから、別の伝え方にしよう」と説明します。
犬の首や胴を腕で囲むと、犬がその場から離れにくくなります。子どもには「犬が逃げられる場所を残そう」と伝えると、犬の側の都合を想像しやすくなります。犬が近づいてきても、抱きついてよい合図とは限りません。触れ合いを続けるかどうかは、犬が離れられる状態で見守ります。
触れる前に、大人が犬の様子を見て判断する
子どもと犬だけで触れ合わせず、大人がすぐそばで見守ります。犬が休んでいるとき、食事中、おもちゃや寝床のそばにいるときは、触れ合わせない選択をしてください。犬が離れたら追いかけず、そこで触れ合いを終えます。
体を固くする、顔をそむける、身を引く、うなるといった反応が見えたら、子どもを犬から離し、いったん終わりにします。うなりを叱って黙らせるのではなく、距離を取って犬が落ち着ける場所を確保してください。反応の意味を子どもに判断させるのではなく、大人が間に入ります。
犬具を作る側から見ても、道具は次の行動を伝える合図にはなっても、犬の気持ちを確かめる代わりにはなりません。触れ合いでは、犬が自分で近づいたり離れたりできることを優先します。
今日から試せる実践Tips

抱きしめる代わりの行動を、短い言葉で一緒に練習します。犬が落ち着いていて、大人が見守れるときに限り、子どもにはまずその場で静かに待ってもらいましょう。犬が自分から近づいたら、大人が触れてよい場所を示し、子どもは短くそっとなでます。犬が離れたら、追わずに終わりです。
触れること自体が難しい日は、少し離れて犬に話しかける、一緒に犬の様子を眺める、お世話を大人と一緒に手伝う方法もあります。「好き」を伝える方法は、抱きしめることだけではありません。子どもがまだ約束を守れない年齢なら、犬と直接触れ合わせず、大人が犬を別の場所で休ませる判断も必要です。
犬がぐったりしている、呼吸が苦しそう、立てない、吐くなどの様子があるときや、飼い主さんが心配なときは、触れ合い方の工夫より獣医師への相談を優先してください。


