朝から雨が続いて、窓の外はしっとりと暗め。いつもの散歩道も水たまりが増えて、今日は少し短めにしておこうかな、と思う日があります。犬は玄関のほうをちらりと見たり、部屋の中をゆっくり歩いたり。そんな姿を見ると、何かしてあげたくなるものです。
雨の日は、散歩の時間や距離がいつも通りにならない場合があります。けれど、家の中でも小さな満足を重ねることはできます。大がかりな準備をしなくても、においを使った遊びや、短い声かけ、落ち着いて休める場所づくりで、犬の気分が少し変わることがあります。
まずは「体を動かす」より「気分を切り替える」
雨の日の室内遊びというと、たくさん運動させなければと思うかもしれません。けれど、床がすべりやすい場所で走り回る遊びを増やしすぎると、かえって落ち着きにくくなる場合もあります。
室内では、激しく動く遊びよりも、頭と鼻を使う遊びを少し取り入れるとよいでしょう。犬にとって、においを探すことは気分転換になりやすく、年齢を問わず取り入れやすい遊びです。
におい探しで、静かな満足をつくる
いつものフードや小さなおやつを、部屋の中の見つけやすい場所に数粒置いて探してもらいます。最初は犬が見ている前で、クッションの近くやマットの端など、すぐ見つかる場所から始めると安心です。
慣れてきたら、少しだけ場所を変えてみます。紙コップの下に一粒入れる、タオルを軽くかぶせる、部屋の数か所に分けるなど、難しすぎない範囲で変化をつけるとよいでしょう。
- 最初はすぐ見つかる場所に置く
- 食べすぎにならないよう、普段の食事量との兼ね合いを見る
- 飲み込む心配のある小物は使わない
- 犬が迷っている時は、少し手伝って終わりやすくする
遊びは長く続けるより、犬が「見つけた」と感じられるところで区切るほうが、落ち着きにつながる場合があります。
いつもの合図を、ゆっくり復習する
雨の日は、座る、待つ、こちらを見る、手元に来るといった、普段の暮らしで使う合図をゆっくり復習する時間にもできます。特別な訓練というより、飼い主さんと犬が同じ調子で過ごすための小さなやり取りです。
声を明るくしすぎず、できたら静かにほめる。何度も繰り返して飽きてしまう前にやめる。このくらいの控えめな進め方が、雨の日の室内には合いやすいでしょう。
年齢を重ねた犬や、関節まわりが気になる犬の場合は、立ったり座ったりを何度も繰り返すより、伏せたままでできる合図や、手のにおいを追う遊びなどを選ぶとよい場合があります。気になる様子がある時は、無理をさせず、普段の様子を見ておくとよいでしょう。
タオルやマットを使った、落ち着いた遊び
雨の日は、洗濯前のタオルや普段使いのマットを使って、簡単な遊びを作ることもできます。タオルの上におやつを置いて軽く折る、マットの上で「待つ」をする、タオルを丸めてにおいを探してもらう。どれも、部屋を大きく使わずにできる工夫です。
引っぱりっこが好きな犬もいますが、室内では足元を確認しておくと安心です。すべりやすい床では、力の入りすぎる遊びを控えめにし、マットの上など安定した場所で行うとよいでしょう。興奮が強くなってきたら、におい探しや休憩に切り替えます。
退屈そうに見える時も、休む時間は大切
犬が退屈そうに見えると、つい何か遊びを増やしたくなります。ただ、雨音のする日や外が暗い日は、犬もいつもより眠そうにすることがあります。静かに寝ているなら、そのまま休ませておくのも大切です。
ベッドやお気に入りの毛布を、家族の気配が感じられる場所に置く。窓の外が気になりすぎる犬なら、カーテンを少し閉める。反対に、外を眺めるのが好きな犬なら、落ち着いて見られる場所を用意する。犬によって心地よい過ごし方は違います。
「今日はよく寝るな」と思う日もあります。食欲や表情、歩き方などがいつもと大きく変わらなければ、天気に合わせてのんびり過ごしているだけの場合もあります。気になる変化が続く時は、かかりつけの専門家に相談しておくと安心です。
雨が弱まった時のために、外へ出る準備だけ整えておく
一日中しっかり遊ばせることを考えるより、雨が弱まった時に短く外の空気を吸える準備をしておくのも現実的です。玄関にタオル、うんち袋、足ふき用品、いつものリードをまとめておくと、出る時も帰った後も慌てにくくなります。
濡れた道を歩く日は、帰宅後に首輪やリードの水分、汚れを軽く確認しておくと安心です。雨の日の持ち物をまとめておきたい方は、サクラ犬具製作所のお散歩用トートも、普段のタオルや小物を入れておく先として見ていただけます。
雨の日は、犬との距離を少し近くする日
雨の日は、いつもの散歩が短くなったり、外遊びがしにくかったりします。それでも、家の中でにおいを探す、声をかける、少し練習する、よく休む。そうした小さな時間を重ねるだけでも、犬にとっては一日の流れが作りやすくなる場合があります。
無理に特別なことをしなくても大丈夫です。窓の雨音を聞きながら、犬が鼻を動かし、見つけて、ほめられて、少し眠る。そんな穏やかな雨の日も、暮らしの中では悪くない時間です。


