ブラシを通すたび、床や服に毛が増える換毛期。家庭では、毛を一度に取り切ろうとせず、犬の毛質に合う道具で短時間のブラッシングを続け、皮膚の赤みや傷も一緒に見るのが基本です。
換毛期は「全部取る」より短時間を続ける
抜け毛が増えると、長い時間をかけてきれいにしたくなります。
ただ、犬が体を引く、ブラシを見て離れる、皮膚を気にして振り返る。そんな動きが出るなら、その日の手入れはそこで区切ります。毛を残さないことより、次も嫌がらずに触れられることを優先します。
背中や脇腹のように触れやすい場所から始め、首の下、耳の後ろ、脇、内股、尾の付け根は最後に回します。毛が絡みやすく、皮膚の状態も見落としやすい場所です。
ブラシは毛質と皮膚の様子で選ぶ
短毛の犬なら、柔らかいブラシやラバーブラシで表面の毛を取りやすくします。長毛や下毛の多い犬では、スリッカーブラシやコームが候補になりますが、道具の種類だけで決めません。
毛の根元まで届かないまま表面だけを撫でているのか、逆にブラシの先が皮膚へ当たりすぎていないか。毛束を少し分け、根元付近を目で確認しながら、力を抜いて動かします。
毛玉を引っ張ってほどこうとすると、犬が身をよじることがあります。指で小さく分けられない絡まりや、皮膚に近い固まりは、無理に切ったり引いたりせず、トリマーや獣医師へ相談する選択もあります。
抜け毛が多い日に、毛の量以外で見るところ
見るのは、抜けた毛の多さだけではありません。ブラッシングの前後に、皮膚の赤み、出血、かさぶた、強いフケ、触れたときの痛がる反応がないかを確認します。
毛が多く抜ける時期でも、犬によって量や期間は違います。急に毛が薄く見える、同じ場所を繰り返し掻く、舐め続けるなど、いつもと違う様子が続くときは、抜け毛対策だけで判断しないこと。
ぐったりしている、呼吸が苦しそう、立てない、吐いている、または飼い主さんが心配だと感じる状態なら、家庭の手入れより先に獣医師など専門家へ相談してください。
今日から試せる実践Tips

手入れを始める前に、犬が立ったままでも触れやすい場所を一か所だけ選びます。毛並みに沿って数回ブラシを動かし、抜けた毛を取り除いたら、皮膚を目で確認して終わりにします。
道具を作る側から見ると、手入れは「きれいに仕上げる作業」より、犬の反応を見ながら続けられる順番を作ることを優先します。ブラシを置く場所、毛を捨てる袋、最後に使うタオルを近くにそろえるだけでも、途中で犬を待たせる時間が短くなります。
ブラシの先が曲がっていないか、汚れが固まっていないかも、ときどき見ます。道具の状態が変わると、同じ動かし方でも犬の皮膚への当たり方が変わるためです。
次の手入れでは、毛を取る量ではなく、犬がどこまで落ち着いて触らせたかを見てください。


