家では来るのに外では戻らない犬、リードをつけたまま何から練習する?

家では来るのに、外では呼んでも戻らない。そんなときは、広い公園で何度も呼ぶより、まず刺激の少ない場所でリードをつけたまま練習します。外では聞こえていても、においや音に気を取られて、家と同じようには動けないことがあるからです。

外では「呼ばれたら戻る」以外の情報が多い

散歩中、草のにおいを嗅いでいる犬に声をかけても、鼻先は地面に向いたまま。風が耳を揺らし、遠くで自転車の音がして、足元にはさっきまで気づかなかったにおいが続いています。家の中とは、犬が受け取る情報の量が違います。

ここで覚えておきたいのは、家でできたことが、そのまま外でもできるとは限らないこと。家の練習が無駄だったわけではありません。外では難しさが一段上がった、と考えて練習を小さく分けます。

呼び戻しの合図を聞いても、犬が戻る前に何度も名前を呼び続けると、合図が背景の音のようになってしまうことも。こちらは真剣なのに、犬は「散歩中の音声案内かな」と思っているのかもしれません。まずは一度呼び、反応できる距離と環境を選びます。

リードをつけたまま、静かな場所から

練習は、家の中から玄関先、建物の周りなど、犬が落ち着いて周囲を見られる場所へ少しずつ広げます。いきなり犬や人が行き交う場所、興味を引くにおいが多い場所を選ぶ必要はありません。リードをつけた状態で、まずは近い距離から名前や呼び戻しの合図を一度だけ伝えます。

犬がこちらを見たり、足を向けたりしたら、明るい声で迎え、戻ってきたことをその場でほめます。ごほうびを使う場合は、犬が喜ぶものを用意し、戻った直後に渡します。呼んだあとに首輪やリードをつかんで、すぐ散歩を終わらせることばかり続くと、「戻ると楽しい時間が終わる」と結びつく可能性もあります。戻ったら少し一緒に歩くなど、呼び戻しの後を毎回同じ終わり方にしない工夫もできます。

反応がないときは、合図を何度も重ねず、リードを安全に保てる範囲で犬の注意が戻るのを待ちます。引っぱって無理に連れてくるのではなく、犬が応じやすい距離まで近づいて、次の機会に難しさを下げます。犬具屋としては、呼び戻しの練習では強く引き戻すことより、リードの届く範囲で成功しやすい場面を選ぶことを優先します。

反応が薄い日は、距離を戻して切り上げる

犬が合図を聞いても周りを見続ける、体がこわばる、リードが張りつめたままになる。そんなときは、練習を続けて回数を稼ぐより、刺激から離れて落ち着ける場所へ移るほうが先です。戻ってこないことを叱ると、呼ばれること自体を避けるようになるおそれがあります。呼び戻しは試験ではないので、その日の状態に合わせて終えて構いません。

屋外では、呼び戻しが身につくまでリードを外さないでください。車道やほかの犬が近い場所では、練習の成否にかかわらず、リードを手放さないことが基本です。リードや首輪に不具合がある、装着に不安があるときも、練習より先に安全を整えます。

ぐったりしている、呼吸が苦しそう、立てない、吐いているなどの様子があるときや、飼い主さんが心配を感じるときは、練習や道具の工夫より先に獣医さんなどの専門家へ相談してください。

今日から試せる実践Tips

飼い主がリードを持って犬を近くで呼び、犬が振り向く練習の様子。

今日の散歩では、車や人の往来が少なく、犬が落ち着いていられる場所をひとつ選びます。リードをつけたまま、犬との距離が近い状態で一度呼び、こちらを向いたらすぐにほめます。反応がなければ、同じ場所で何度も呼び続けず、距離を縮めるか、その日は切り上げます。

できたら、次はほんの少しだけ距離を広げます。においの強い場所や犬の多い場所に進むのは、今の段階で落ち着いて戻れるようになってから。まずは「外でも呼ばれたら、飼い主さんのところへ行くといいことがある」を、小さな成功でつないでいきましょう。

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