SAKURA DOGWARE FACTORY

首輪つくり人がお送りするいろいろなペット情報
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犬同士の挨拶は毎回必要?すれ違うだけの日があっても大丈夫

犬同士の挨拶は毎回しなくてもかまいません。相手との距離や犬の体の向き、リードを持つ手にかかる力を見ながら、近づくか通り過ぎるかを選ぶ目安を解説します。

浸水したら、犬とどう避難する?「いつ家を出るか」から考える水害への備え

各地で相次ぐ浸水被害のニュースに接し、心を痛めています。 被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。皆さまの安全と、一日も早く安心して過ごせる日常が戻ることを、心から願っています。 住み慣れた家を離れなければならない方、片づけの見通しが立たない方、離れた場所にいる家族を案じている方。それぞれの不安やご苦労を、ニュースだけで知り尽くすことはできません。その中には、犬や猫と暮らし、大切な命をどう守ろうかと心を砕いている方もいらっしゃると思います。 ※今まさに周囲で浸水が起きている方は、この記事よりも、お住まいの自治体の避難情報と、ご自身の身の安全を優先してください。 そして、犬と暮らす私自身も、考えずにはいられませんでした。 「もし、わが家の周りが浸水したら。私は、犬を連れて安全に避難できるだろうか。」 一緒に連れていく。その気持ちに迷いはありません。でも、いつ家を出ればいいのか。抱っこで行けるのか、車ならいいのか。外がもう水につかっていたら、2階で待つほうがいいのか。首輪やリード、いつものごはんは思いついても、「いつ、どこへ、どうやって」には、すぐに答えが出ませんでした。 公的な防災情報をたどってみて、まず分けて考える必要があったのは、まだ安全に移動できるときと、すでに外へ出るのが危険になったときでした。 「犬をどう運ぶか」の前に、「いつ家を出るか」 最初に頭に浮かんだのは、犬を抱いて水の中を進む場面でした。でも、考える順番が違っていました。大切なのは、水が来てからどう運ぶかではなく、道が危険になる前に、犬と一緒に移動できるかどうかでした。 自治体が出す警戒レベル4「避難指示」は、危険な場所から全員が避難する段階です。警戒レベル5「緊急安全確保」になってから出発するのではありません。レベル5は、災害が発生しているか、切迫しており、命の危険が迫っている状況です。 また、警戒レベル3「高齢者等避難」では、高齢者や障害のある方など、避難に時間がかかる方と、その支援者が避難を始めます。それ以外の人も、準備や自主的な避難を考える段階です。 テレビやスマホで見る気象情報は、2026年5月29日から「レベル3大雨警報」「レベル4大雨危険警報」のように、数字の付いた名前になりました。ただ、これは気象庁の情報で、自治体の避難情報とは別のものです。同じ数字でも、同時に出るとは限りません。避難情報がまだ出ていなくても、こうした情報やキキクル、川の水位を見て、自分で判断することが求められています。 参考:千葉県「5段階の警戒レベル」、内閣府・消防庁「避難情報に関するポスター・チラシ」、気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」 では、わが家は、出発までにどのくらい時間がかかるでしょうか。 キャリーに入るまで時間がかかる。大きな犬なので、一人では運べない。複数の犬がいて、家族の手が必要になる。持病の薬を忘れずに持っていかなければならない。 こうした事情があるなら、わが家も「避難に時間がかかる側」なのかもしれません。人だけで身支度をするときと同じつもりでは、準備が間に合わないおそれがあります。 「警戒レベル4になったら、行き先を調べ始める」では遅い。行き先と移動方法は、その前に決めておく。そのうえで、移動に時間がかかる家庭では、警戒レベル3の段階で動き出せるよう、雨の見通しや地域の危険度に応じた早めの自主避難も考えておきたいところです。 川から離れていても、確認しておきたいこと 「うちの近くには大きな川がないから」と考えてしまいそうですが、浸水は川の氾濫だけで起こるものではありません。排水が追いつかず、下水道や水路から水があふれる「内水氾濫」もあります。 自治体のハザードマップでは、自宅の場所だけでなく、犬と通る予定の道や避難先も確かめておきましょう。途中に低い土地や、道路・線路の下をくぐるアンダーパスがないかも、見ておきたいところです。 家を出られても、その先の道を通れるとは限りません。 参考:柏市「大雨に関する避難ガイド」 道路がもう水につかっていたら、抱っこで出てもいい? 犬を抱っこしているからといって、冠水した道路を安全に歩けるわけではありません。 水に覆われた道路では、側溝との境目が見えなくなったり、マンホールや側溝のふたが外れていたりするおそれがあります。水が浅く見えても、流れが速ければ危険です。 犬の体を水につけないようにしても、抱いている人の足元の危険はなくなりません。飼い主が転べば、腕の中の犬も一緒に危険にさらされます。「犬は泳げるから」と、水の中を歩かせたり、泳がせたりして進むことも、避難方法として当てにしないでください。 大切なのは、犬を濡らさないことだけではなく、人も犬も危険な水の中に入らないことです。 参考:千歳市の防災資料「冠水している道路に潜む危険とは?」「浸水時の歩行に注意!」 「歩けないなら、車で」も安全とは限らない 犬を乗せられる車があると、少し安心するかもしれません。でも、冠水した道路に車で入ると、立ち往生や水没につながるおそれがあります。 車を使う避難も、道路が安全なうちに移動することが前提です。犬や荷物を運べるからといって、浸水した道を通れるわけではありません。 車で向かう予定の場所があるなら、普段の最短ルートだけでなく、低い場所や冠水しやすい道を避けられるかも、事前に確認しておけると安心です。 参考:柏市「大雨に関する避難ガイド」 外へ出るほうが危険になっていたら すでに外への移動が危険な場合は、遠くの避難所を無理に目指すのではなく、今いる建物の上階など、その状況で少しでも安全な場所へ移る「緊急安全確保」が必要になることがあります。崖が近い場合は、崖から離れた部屋へ移るなど、その場の危険に応じた行動を取ります。 ただし、これは安全が保証された方法ではありません。建物自体に倒壊や流失の危険がある場合、上階へ移るだけでは身を守れないこともあります。 人命に危険があり、救助が必要なときは119番へ通報してください。住所や建物名、取り残されている人数、今いる場所や状況を伝えます。犬がいることも知らせ、救助側の指示に従ってください。 参考:内閣府「避難情報に関するガイドライン」、東京消防庁「119番通報の仕組み」 では、家の2階で一緒に待てばいいのだろうか 犬にとっては、知らない場所へ行くより、いつもの家にいるほうが落ち着けそうに思えます。荷物を運ぶ必要もありません。 ただ、家にとどまるかどうかは、「犬が落ち着けるか」だけでは決められません。 内閣府の案内では、水害時に自宅で安全を確保する「屋内安全確保」を検討する際、次の3つの条件を確認するよう示されています。 家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていないこと。水の流れや地面が削られることによって、建物が倒壊・流失する危険が想定される区域ではないかを確認します。 過ごす部屋が、想定される浸水の深さより高いこと。「2階だから」ではなく、ハザードマップの浸水想定と照らし合わせます。 水が引くまで生活を続けられる備えがあること。孤立やライフラインの停止を踏まえ、水や食料などを確保しておく必要があります。 土砂災害の危険がある区域では、原則として、その場所を離れる避難が必要です。また、浸水が続く時間など、ハザードマップに載っていない情報もあるため、わからない点は平時に自治体へ確認しておきましょう。 参考:内閣府・消防庁「屋内安全確保の3つの条件」 犬と一緒に家にとどまるなら、人の備えに加えて、犬の飲み水やフード、必要な薬、排泄する場所についても考えておく必要があります。 一方で、自宅で安全を確保できることが確認できているなら、危険を冒して外の避難所へ向かう必要はありません。避難とは、必ず学校や公民館へ行くことではなく、危険を避けて安全を確保することだからです。 ここで混同したくないのは、事前に条件を確認して家にとどまることと、逃げられなくなって上階へ移ることは別だという点です。 避難所では、犬と一緒にいられる? 避難先について調べると、「同行避難」という言葉が出てきます。 これは、飼い主がペットを連れて安全な場所まで避難する行動のことです。避難所で、犬と飼い主が同じ部屋で過ごせるという意味ではありません。犬が過ごす場所や受け入れ条件は、自治体や施設ごとに確認する必要があります。 参考:印西市「ペットと飼い主の災害対策」 「犬を連れていけますか」だけでなく、次のことも聞いておきたいところです。 水害のときに使える施設はどこか 犬が過ごす場所は屋内か、屋外か キャリーやケージは持参するのか 飼い主は、どのように世話をするのか また、地震のときに行くつもりの施設が、水害でも安全な避難先になるとは限りません。施設の場所と、今回の災害に対する安全性、開設状況を確認することも必要です。 避難先は、指定された施設だけではありません。安全な地域にある親戚・知人の家や、受け入れを確認した宿泊施設なども選択肢になります。行き先の災害リスクを確認したうえで、犬を連れていけるか、普段から相談しておけるとよいですね。 参考:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン〈一般飼い主編〉」、内閣府・消防庁「避難情報に関するポスター・チラシ」 犬を受け入れてもらえるか心配で、危険な家から出られなくなる。そうならないためにも、行き先は一つに絞らずに。 用意した道具で、本当に犬を連れて出られるだろうか ここからは、まだ道路が安全なうちに移動するための準備の話です。 犬を抱っこしたり、キャリーを持ったりするだけなら、普段からしていることかもしれません。でも、そこに犬のフードや水、自分や家族の荷物が加わったらどうでしょう。 フードや水、薬、連絡先の控えなど、用意しておきたいものや避難先で確認することは、以前まとめた「ペット防災完全ガイド」で詳しくご紹介しています。ここでは、その持ち物を「誰が、どう運ぶか」に目を向けてみます。 犬を連れる人と、荷物を持つ人を分けられるのか。家に一人しかいない時間帯なら、どうするのか。 抱っこだけでなく、逃がさずに運ぶ準備を 環境省の一般飼い主向けガイドラインでは、犬にはリードをつけ、首輪が緩んでいないかを確認すること、小型犬はリードをつけたうえでキャリーバッグやケージに入れることなどが示されています。 「抱いていれば大丈夫」と考えるだけでなく、出発前から、犬が離れてしまわない状態をつくっておく。キャリーも、購入してしまっておくだけではなく、普段から入ることに慣れておきたい道具です。 参考:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン〈一般飼い主編〉」 それでも、雨音や人混みに驚いて、犬が離れてしまうことはあるかもしれません。迷子札の電話番号は、今つながる番号か。マイクロチップを入れているなら、どこに登録していて、情報が古くなっていないか。はぐれたときに犬が帰ってくる手がかりも、出発前の準備の一つです。身元の表示は「ペット防災完全ガイド」でも詳しく触れています。 大きな犬や歩行に介助が必要な犬、複数の犬と暮らしている家庭なら、家族だけで対応できるか、手助けをお願いできる人がいるかも、平時に考えておきたいところです。 例えば、雨の降っていない日に、用意した荷物を持って犬と玄関まで動いてみる。キャリーを持ったまま、靴を履き、扉を開けられるでしょうか。階段がある家なら、上り下りも含めて無理がないでしょうか。夜や停電のときなら、明かりを持つ手は残っているでしょうか。 そこで手が足りないとわかれば、荷物の分け方や家族の役割を相談できます。持ち出すものの優先順位も、落ち着いて見直せます。 「何を用意するか」に加えて、「どうやって一緒に出発するか」まで。 犬だけで留守番している時間は、どうしよう 仕事中に雨が強くなったら。電車が止まり、すぐに帰れなくなったら。家族がそれぞれ別の場所にいたら。 環境省のガイドラインでも、留守中の対応方法や協力体制、ペットの避難方法と役割分担を、家族や地域で話し合うことが挙げられています。 参考:環境省「一般飼い主向け 人とペットの災害対策ガイドライン」21ページ 大雨が予想される日に、外出や留守番の予定を調整できるか。家族の誰が家にいるか。安全に対応できる段階で、協力をお願いできる人はいるか。連絡が取れない場合はどうするか。 ただし、犬が心配だからといって、すでに冠水した道を無理に戻ったり、ほかの人に危険な救出を頼んだりすることは避けなければなりません。協力を相談する場合も、その人自身の安全を確保できることが前提です。 「何かあったら迎えに行く」だけでは答えにならない場面もあるからこそ、雨が強くなる前にできることを、家族で具体的にしておきたいと思います。 水が引いたあとも、いつもの散歩道とは限らない 家に戻れて、雨も上がって、やっといつもの散歩に出られる。そう思いたいところですが、浸水したあとの道には、流れてきた泥やごみ、割れたガラスなどが残っているかもしれません。 目に見えない心配もあります。犬にも人にも感染するレプトスピラ症です。ネズミなどの尿で汚れた水や土に触れることで、皮膚や粘膜から感染します。大雨や台風による洪水のあとは、汚れた水や土が広い範囲に流れ出るため、感染のリスクが高くなるとされています。 犬の症状には発熱、食欲がない、嘔吐、下痢などがあり、重くなることもあります。一方で、感染していても症状が出ないまま、尿に菌を出していることもあるそうです。 しばらくは、水たまりやぬかるみに犬を近づけないようにします。もし汚れた水に入った、飲んだかもしれないというときは、いつ、どんな水や泥に触れたかを動物病院に伝え、受診が必要か相談してください。発熱や食欲の低下、嘔吐などが見られたら、様子を見ずに早めに連絡を。予防のワクチンもあるので、散歩コースや暮らし方に合わせて、接種が必要かも聞いておけます。 人も同じように感染します。手や足に傷があるときは、泥水に触れる作業を避ける。片づけや犬を洗うときは、長靴やゴム手袋で肌を覆い、終わったら手をよく洗う。そのあと高い熱が出たら、泥水に触れたことを医師に伝えてください。 参考:埼玉県獣医師会「水辺に注意!~イヌのレプトスピラ症~」、福岡県「レプトスピラ症に注意しましょう」、神奈川県衛生研究所「レプトスピラ症」 「浸水したらどうしよう」を、雨が降る前の相談に 今回、最初に浮かんだのは、「水が来たら、犬をどうやって運ぼう」という疑問でした。 調べてみると、その答えは抱き方や道具だけではなく、自宅の危険を知ること、移動できるうちに判断すること、犬と行ける場所を確かめておくことにつながっていました。 災害は、備えていても思いどおりにならないことがあります。ここに書いたことだけで、すべての状況に答えが出るわけでもありません。 それでも、「わからないままになっていること」を、落ち着いて話せるうちに少しずつ減らしておくことはできます。 まずは、家族にこんなふうに聞いてみようと思います。 「大雨で家を離れることになったら、犬とどこへ行こうか。私が家にいないときは、どうしようか。」 ハザードマップを一緒に開いてみる。避難先の犬の受け入れ条件を確かめる。用意した荷物を持って、玄関まで動いてみる。 その相談なら、雨が降っていない今日でも始められます。 被害に遭われた皆さまと、そのそばで暮らす動物たちに、安心して休める時間が一日も早く戻ることを願っています。 ※この記事は、大雨による河川の氾濫や内水氾濫への備えを扱っています。津波など、別の災害にはその災害に応じた避難が必要です。実際の避難では、お住まいの自治体の最新の避難情報、気象情報、周囲の状況を確認し、身の安全を最優先にしてください。避難先の開設状況やペットの受け入れ条件は、地域・施設・災害の状況によって異なります。愛犬の体調や予防接種については、かかりつけの獣医師にご相談ください。 ※公的資料の確認日:2026年9月25日。

朝晩は涼しいのに、昼はまだ暑い。9月の犬の散歩で迷いやすい時間帯

夕方、玄関を開けると、思ったより涼しい風が入ってきました。 犬はもう散歩へ行く気で、こちらを見ています。これなら大丈夫そうだとリードを持ち、外へ出る。ところが、しゃがんでアスファルトに触れてみると、まだ昼間の熱が残っている。 「もう出てもよいだろうか。それとも、もう少し待ったほうがよいだろうか」 9月の散歩は、真夏よりかえって迷うことがあります。空気には秋が来ているのに、犬が歩く足元には、まだ夏が残っているからです。 残暑のある日は、早朝を第一候補に。夜なら日没時刻ではなく、路面の熱が落ち着いてから。ただし、「朝6時」「夜7時」のように時刻だけで決めず、湿度、地面、愛犬の様子を重ねて判断します。 先に結論を言えば、これが9月の散歩時間を決める基本です。では、同じように涼しく感じる朝と夜では、何が違うのでしょうか。 9月は、空よりも地面のほうが季節が遅い 夏の盛りなら、「昼間は暑すぎる」と迷わず判断できます。難しいのは、朝晩の空気だけが先に涼しくなり始める時期です。 天気予報の気温は大切な手がかりですが、犬が受ける暑さは数字一つでは決まりません。湿度、日差し、風、地面から返ってくる熱、歩く速さ。それらが重なって、実際の負担になります。 人の顔の高さで風が心地よくても、地面に近い犬は、熱を持った舗装路のすぐ上を歩きます。環境省も、犬や猫は人より体高が低く、地面からの熱を受けやすいとして、暑い時期の散歩は早朝や夜などの涼しい時間帯にするよう呼びかけています。 晴れた日のアスファルトは、日中に受けた熱をすぐには手放しません。日が沈み、私たちが「涼しくなった」と感じたあとも、犬の足元だけは温かいことがあります。 この記事をまとめた2026年9月5日時点でも、気象庁は9月5日から10月4日までの平均気温について、全国的に平年より高くなる見込みを示しています。カレンダーが9月になったことより、その日の空と地面を見る必要がありそうです。 朝と夜、選べるならどちらがよい? どちらかを選べるなら、残暑の強い日は早朝のほうが予定を立てやすいでしょう。地面が夜のあいだに冷え、これから気温が上がる前に歩けるからです。 ただし、朝ならいつでも安心というわけではありません。出発時は涼しかったのに、折り返すころには日が差し、帰り道で急に暑くなることがあります。 朝は「出る時刻」より「帰る時刻」を決める 朝の散歩では、何時に玄関を出るかだけでなく、何時までに戻るかを考えます。日の出後に気温が上がりそうな日は、遠くまで一直線に歩かず、自宅の近くを回る道を選びます。途中で犬の様子が変わっても、すぐ帰れるからです。 前日の夜に翌朝の予報を見て、気温の上がり方が早そうなら、いつもより少し早く出る。時間を早められない日は距離を短くする。毎日同じコースを守るより、その日の環境に合わせて変えるほうが無理がありません。 夜は「日が沈んだ時刻」より「地面が冷めた時刻」 夜に注意したいのは、涼しい空気に安心してしまうことです。日中よく晴れた日は、日没後もしばらく舗装路に熱が残ります。 玄関先で一度かがみ、犬が歩く場所へ手を当ててみてください。触れてすぐ熱いと感じるなら、出発を遅らせるか、短い散歩に変更します。手で触れられれば必ず安全という判定ではありませんが、足元に残った熱へ気づくきっかけにはなります。 同じ時刻でも、広いアスファルトの道路と、日陰の多い道、土や芝生のある道では条件が違います。帰宅時間を遅くできない日は、時刻だけでなく、熱の残りにくい道を選ぶ方法もあります。 暗くなってからは、暑さとは別の注意も必要です。車や自転車から犬が見えにくくなるため、ライトや反射材を使い、飼い主さん自身も見えやすい服装を選びます。 犬が行きたがっていても、それは「暑くない」の合図ではない わが家のモモは、散歩の気配を感じると気持ちが先に玄関へ向かいます。嬉しそうな顔で待たれると、いつも通り歩かせてあげたくなります。 けれど、散歩へ行きたい気持ちと、その日の暑さに無理なく耐えられることは別です。犬自身が「今日は短くしておこう」と距離を決めてくれるとは限りません。 出発前の元気だけで大丈夫と決めず、外へ出てからの呼吸、歩幅、立ち止まり方を見る。ときには、飼い主さんが先に帰る方向へ曲がる。その判断も、散歩の一部だと思っています。 玄関で迷ったら、三つのことを順番に見る 毎回たくさんの項目を確認しようとすると、散歩へ出ること自体が大仕事になります。迷ったときほど、次の三つに絞って考えると判断しやすくなります。 空を見る現在の気温だけでなく、湿度、日差し、風、これからの気温変化を見ます。暑さ指数(WBGT)も補助として確認します。 地面を見る直前まで日が当たっていなかったか、舗装路に熱が残っていないか、日陰や土の道へ変更できないかを考えます。 犬を見る食欲や元気はいつも通りか、すでに呼吸が荒くないか、その犬が暑さに弱い条件を持っていないかを見ます。 暑さ指数は、気温だけでなく湿度や日射などを考慮できる便利な情報です。ただし、本来は人向けの指標であり、その数値だけで犬の安全を保証するものではありません。犬種、年齢、体格、持病、暑さへの慣れ方によって負担は変わります。 この三つを見たうえで、「いつも通り歩く」「短いコースにする」「もう少し待つ」のどれかを選びます。散歩へ行くか、行かないかの二択にしないほうが、現実の暮らしには合わせやすくなります。 歩き始めてからの変化は、いつもの姿と比べる 犬は「少し苦しくなってきた」と言葉では伝えられません。それでも、毎日一緒に歩いている飼い主さんだから分かる、小さな違いがあります。 いつもより早く息が上がる。日陰へ入りたがる。歩く速度が落ちる。何度も立ち止まる。普段とは違う変化があれば、予定していた距離にこだわらず、そこで折り返します。休ませても激しいパンティングがなかなか落ち着かないときも、軽く考えないほうがよいでしょう。 過度なパンティングやよだれに加え、呼吸が苦しそう、嘔吐や下痢、ふらつき、ぐったりする、倒れるといった症状がある場合は、熱中症の可能性を考え、速やかに動物病院へ連絡してください。涼しい場所へ移し、冷たすぎない水で体を冷やしながら受診します。氷水などで急激に冷やすことは避けます。 短頭種、シニア犬、太り気味の犬、心臓や呼吸器に問題のある犬は、暑い環境でより慎重な判断が必要です。持病がある場合は、散歩できる気温や運動量について、かかりつけの獣医師へ相談しておくと安心です。 散歩を短くした日は、足りなかった時間を家でつくる 仕事や家族の予定があれば、毎日ちょうどよい時間に散歩できるとは限りません。暑い時間しか空いていない日もあります。 そのような日は、排泄のための短い外出と、路面が冷めてからの散歩を分けます。外で歩く時間を短くした分、室内でフードを探す遊びや、箱やタオルに隠した匂いを探す遊びを取り入れることもできます。 散歩が短いと、「こんなに少なくて大丈夫だろうか」と申し訳なく感じることがあるかもしれません。しかし、一日だけ距離を短くすることより、暑さの中で無理を重ねるほうが心配です。涼しい日に少し長く歩くなど、一日単位ではなく、一週間ほどの幅で調整してもよいのではないでしょうか。 9月の散歩時間は、毎日変わってかまわない 9月は、夏の散歩時間をある日突然終わらせる季節ではありません。早朝がよい日もあれば、夜まで待ったほうがよい日もあります。曇っていて歩きやすい日もあれば、湿度が高く、思ったより早く息が上がる日もあります。 毎日同じ時刻に歩くことより、今日の空、今日の地面、今日の愛犬を見ること。その積み重ねが、その犬に合った散歩時間をつくっていきます。 明日の夕方、風が涼しく感じられても、すぐにリードを持って出る前に、玄関先で一度だけかがんでみてください。手のひらに残る地面の温度が、「今日はもう少し待とう」と教えてくれるかもしれません。 参考情報 環境省「防ごう!ペットの熱中症」 環境省 熱中症予防情報サイト 気象庁「向こう1か月の天候の見通し」 American Veterinary Medical Association “Walking or running with your dog” VCA Animal Hospitals “Hot pets - Not cool” ※本記事は一般的な情報をまとめたものです。犬の体調に異変がある場合や、持病のある犬の運動については、かかりつけの獣医師へご相談ください。

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